11月22日 生産地と消費地の交流

ブログの更新も10日以上になってしまいました。すっかりFBの方にハマってしまってますけど、ブログの書き込みも忘れちゃいけませんね。
しばらく書き込みをしていなかった間にTPPの交渉参加について協議を開始するという方向で進むことが決まったようです。でも何だか交渉参加について協議を開始するという言い方って、参加国にどのように伝わっているのでしょうか。

農業関連の仕事をしている私にとって多くの農業生産現場に対してプラスの影響が出ることは考えられないでしょうからあまり歓迎したくはありません。ただそれ以上に一生活者として、農業分野以外の国民皆保険や金融面などで今までの日本の最低限のシステムが崩れていくことに対して危惧を感じています。

最終的には関税撤廃という方向で参加国間の自由な貿易を目指すということで海外から安い農産物が大量に入ってくるということが当然予想されるわけですが、それで日本の農業が本当に壊滅的な打撃を受けてしまうのでしょうか、国なども関税撤廃後のシュミレーションをしているようですが、その答えは私にはわかりません。

ところで、ここ数年、我々の住む十勝の農業生産現場に関西などからの高校生の修学旅行を受け入れて短期間ではあるものの農業体験をしてもらうという動きが少しづつ広がりを見せています。本当に短期間なのですが多感な時期の子供達に命の糧である食料の生産現場を肌で感じてもらうことは受け入れた農家の方たちの話を聞くと、とても良い体験になっているようだと皆さん口を揃えていいます。

先日は、高校生ではなく日本の一流企業に勤める中堅の社員の方たちが、数十人十勝を訪れ作物の収穫や酪農家での搾乳作業などを体験していきました。受け入れた農家の方にその話を聞くと短時間ではあるものの農業がこんなに大変な仕事であること自体今まで全く想像することすら出来なかった、また酪農家での作業体験をした社員からは、これで今の牛乳の価格は安すぎるのでは?といった意見までも出されたそうです。

いずれにしても日本の農業は今まで生産現場と消費者の距離があまりにもかけ離れていました。生産者はただ作るだけ、消費者はただ店頭に並べられている農産物を価格で選ぶだけという時代がちょっと長すぎました。本来であるならばこのTPP問題などに関しては消費者からも大きな動きがあってしかるべきと思うのですが、まるで他人事のように関心が薄くなっているように私には見えます。

高校生や一般社会人の農業体験を通じての農業理解はもっと早くから行われているべきだったのかも知れませんが、今からでも決して遅くはないと思います。自国の農業は自国民に支えられないと存在できないのですから。

 

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