12月12日 30年ぶりの牛乳値上げ

原油高や穀物の燃料向けへの新たな需要などの要因により、大手乳業メーカーが相次いで牛乳の値上げを表明しています。

 酪農の現場に携わる立場の人間として、現在の国際情勢と食糧事情を考慮した場合の消費者(お客様)の方々へ値上げへの理解をお願いしたいと思います。
 卵や牛乳が、今の世の中、30年前と価格が変わらず「物価の優等生」などと揶揄されることに、私は疑問を感じえません。
 食糧の生産現場で何が起きているのか、我々消費者も常にモニタリングしていなければいけないのではないでしょうか。我々の生命と環境を支えてくれる大事な産業なのですから。

 また生産者の皆様方へは、今一度、今後のグローバルな変化に対応できる、足腰の強い酪農の基本に立ち返った自給飼料・自給肥料を有効に活用した経営をお願いしたいと思います。
 
 最近、生産現場で何人かの酪農家の方たちから聞いたのですが、意外と生産の向上を目指すことだけで無駄な(過剰な)エサ(配合飼料)を与えていたというのです。
 いまどきの改良を重ねて、能力を兼ね備えた乳牛ですから、高タンパク、高カロリーの飼料を全く用いないで管理することは無理でしょうが、適正以上に与えることは、飼料代の無駄にとどまらず、病気や疾病の原因にもなりかねません。
 そのためにも自給飼料である、牧草やデントコーンなどがベストなエサとして仕上がっているかも今一度、チェックしてみる必要があります。まだまだ現場を見ていると問題の起こりそうな粗飼料を多く見かけます。

ページトップへ戻る