6月6日 土と草と牛の勉強

十勝管内でも平年よりやや遅れて一番牧草の収穫が始まったようです。しばらく雨のマークも無いようなので順調に作業が進むと良いですね。

一昨日、昨日、今日とグラスファーミングスクールに参加してきました。放牧酪農を中心とした勉強会ですが、うちの取引先では圧倒的に舎飼いで通年サイレージ給与型の酪農家さんが多いのです。しかしながら土と草、そして家畜栄養に関しては非常に参考になる勉強会です。

今回は上士幌町(有)十勝しんむら牧場の新村社長に誘われて参加しました。実は新村社長がまだ独身時代、上士幌町で開催された時以来、十数年ぶりの参加となりました。

二泊三日のスケジュールで行われましたが、放牧時の基礎栄養学、放牧草の特性、実際に放牧酪農を実践している牧場からの報告など多岐に渡るテーマで非常に興味深い内容のものばかりでした。また日中の勉強終了後の夜なべ談義では各地から集まった参加者と有意義な情報交換の時間を持つことも出来ました。

スクール初日「橋本牧場の取り組み」の講義を行って貰った清水町の橋本牧場さんが二日目のフィールドワークの場となりました。


放牧酪農に転換してから20年の歴史と牧場の現況を聞いています。さすが町長選挙に出馬経験のある橋本さんの話は面白い!


世界で一番低コストで牛乳を生産しているニュージーランドからDr.ガビン・シース氏のレクチャー。
面積当たりからどれだけのミルクが生産できるのか、根本的な考え方が日本の一般的な酪農と考え方が大きく違うようですが
放牧草の利用法、牛の草の食べ方など非常に参考になります。ライジングプレートを使用して草地の草の量を量る
実験、ニュージーランドで管理放牧を実践している酪農家では必ずある測定器だそうです。


元帯広畜産大学の倉持先生からは、牛の糞に集まる昆虫の話を聞きました。年間通じると100種類以上の昆虫が糞の分解に関わっているのだそうです。

昨今の、配合飼料価格の高騰により見直されつつある放牧酪農ですがやはり、十勝などでは実践できる地域が限定されます。
しかしながら北海道酪農の優位性は自給飼料の有効利用にほかなりません。中でも草地の持つポテンシャルを最大限生かすことが出来るのがこの放牧酪農だと改めて認識することが出来たグラスファーミングスクールでした。

 

 

ページトップへ戻る