《事例36》 「味の向上が自分の生きる道」

2023年3月14日
中富良野町 遠藤ファーム 遠藤康仁様

「ラベンダーのまち」で全国的に有名な空知郡中富良野町で、4代目の畑作農家を営む遠藤康仁さんは、経営面積約37haの中で、馬鈴薯7ha、カボチャ10ha、ビート7ha、秋小麦5ha、キャベツ3ha、ブロッコリー3.ha、メロン1.haの栽培を行っています。

遠藤ファームさんが営農している地域は、中山間地の沢にあります。朝日が遅く夕暮れが早い、町内他地域から見ても少々不利な条件です。

遠藤さんは就農20年、農場を承継して9年目を迎え、ご自身の今後の方向性と、生き残るために選択すべき道をお話し下さいました。

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自宅倉庫前のラベンダーと遠藤康仁さん

 遠藤さんが就農した頃は、13haの農地で畑作と稲作を営んでいました。しかし、今後の営農を考えた時に、畑作と稲作の両立をするよりも、野菜作りを手掛けることで、より消費者に近い営農ができるのではないかと考え、稲作から野菜にシフトしキャベツづくりがスタートしました。元々、白菜を作っていた経験を持っていたため、その知識を応用することができました。しかし、沢に位置する畑ではどうしても日照不足になりやすく、思うように生育してくれないため、品質の問題や、収量の問題が常に付きまといます。「肥料を大量投入すれば収量は伸びるかもしれないが、病気が出てしまう。それに味や品質を低下させれば消費者が喜ぶ訳がない。また口にしたいと思ってもらえる野菜を作らなければ!」との思いで試行錯誤されてきました。

 バイタルシリーズは、2019年に美瑛町(株)本山農場さんからのご紹介で、遠藤さんにご使用いただきました。使用初年度はバイタルの試験を行い、散布した場所と散布していないところを作りました。その結果、バイタルを散布したところの食味が格段に上がり、製品率も向上しました。予てより食味向上・品質向上・歩留まり向上を目指していた遠藤さんは、すぐに酵素の働きは窒素の同化促進と農薬の浸透性にあることを実感していただきました。

 作物づくりにおいて残留窒素はえぐみに繋がり、味が落ちてしまいます。そもそも量が取れても味が美味しくなかったら売れないことに気付き、美味しい作物づくりには窒素を作物体内に残さない栽培が必要不可欠だと実感されています。

 また、「作物自体を健全に育てて免疫力を付けてもらい、尚且つ酵素の浸透性を利用し農薬の吸収を良くしてあげれば農薬は少なくて済む」との考えを持っていただき、減農薬も実践していただいています。その結果バイタル使用前から見て除草剤は70%、殺菌剤は60%まで減らすことが出来ています。2022年は雨が多く病気の出やすい環境でしたが、特段病気が出ることはありませんでした。

 このように、遠藤さんはバイタルシリーズを使用して頂いた結果として、味が格段に良くなったこと。出荷先からの評価が上がったこと。製品歩留まりが上がったこと。この3点を挙げてくださいました。

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沢に位置する地形と馬鈴薯畑

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 収穫直後のカボチャ

 

 美味しい作物を届けたい思いは、消費者だけではなく地域の子供たちにも向けられています。毎年秋にはブロッコリーの収穫体験を催しており、中々見ることのない収穫前のブロッコリーの姿を見てもらいながら収穫することができます。地域の子供を大切にすることは、将来の農業を守ることでもあると考えている遠藤さん。今後の農業情勢に不安を感じるところもありますが、自分の子供たちが農業を継ぎたいと思ってもらえる農場づくりを頑張りたいと熱意を込めて教えて下さいました。

 我々としても、今後の遠藤ファームさんの美味しい作物づくりに貢献して行きたいと思います。

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カボチャの出来に満足

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