《事例18》平成29年11月 農薬の使用量が減りコストが下がりました。
十勝管内本別町勇足に向かって流れる美蘭別川沿いの狭い沢を主な圃場として、河野一紀さんは総面積45haの圃場で小麦13.5ha、ビート8.5ha、馬鈴薯8ha、大豆8ha、スイートコーン4ha、牧草3haの栽培を行っている畑作農家です。
23筆にも及ぶ点在した圃場は、ゴルフ場のコースの様な形状で四角くて平らな畑がほとんど無いというくらいいびつな形の傾斜地が多く、しかも傾斜地でありながら排水性の良くない湿地で保肥力の低いやせ地であり、誰も望んで耕作したがらない悪条件のため苦労を重ねて来られたそうです。
昔は肥料など資材価格も低かった為、先代の時代には肥料の多投入で収量を確保していましたが、資材価格が上がっていく反面、農産物価格が下がって来ている現状と、肥料の多投入の割には収量が上がらない事に疑問と危機感を抱き、17年前より土壌診断を基に施肥設計を行うコンサルタントの指導を受けミネラルバランスを含めた土壌改良を手掛けて来ました。
元来、やせ地の圃場だった為、投入したミネラル等の効果はすぐに結果に表れ収量に結び付きました。以来、徐々に土壌のphやミネラルのバランスなどを整え、堆肥も用いて地力の維持を図り今に至っています。
現在では不耕起栽培を8割程度取り入れ、全ての作物で安定した収量と品質を確保できる様になり、昨年の様な凶作の年でもほぼ平年並みの成果を維持できる状況となって来ています。また、投入する肥料代なども大幅に低減してきており、ビートの場合で試算してみると堆肥も含めて10アール当たり7,000円程度で間に合う様になっているそうです。
今後のビート栽培での目標は平均収量7t以上、糖度20%以上は達成したいと河野さんは話されました。一般的にビートは資材代が掛かる作物と言われる中、河野さんのビート作りは大いに参考になりそうです。
今年からはこの「お客様の声」に登場頂き堆肥の供給を受けている(有)福田農場の福田社長から「唐津酵素」を紹介され農薬の低減に取り組むことに挑戦しました。殺菌剤の使用は従来より30%~50%減らしてみましたが、特に問題も発生せず乗り切る事が出来ました。
・平成30年産ビート画像①(移植)
・平成30年産ビート画像②(直播)
・平成30年産ビート画像③(直播)
とても勉強熱心な河野さんは、今まで長い間土壌と作物の事を積極的に学んで来たので、作物と微生物の関係や作物に対する酵素の働きなども大変理解して頂きました。また作物を観察する目が的確ですので「唐津酵素」を使用する度に作物がどのように変化しているのかを見極めることにより、更なる農薬や肥料の削減をする事が可能になり、今後は作物の品質と収量の向上に繋がって行くものと思われます。
2017年、河野さんは10アール当たり1.5t以上の産糖量を上げ本別町内で1位の記録でした。上の画像は2018年の苗で、この育苗には成長調整剤を全く使用せず「唐津酵素」を1,000倍で3回散布しました。