《事例31》令和元年11月 牛にストレスを与えない粗飼料づくりを目指して

2019年11月15日
持田牧場

 十勝管内最西部に位置する新得町で、酪農業を営んでいる持田牧場の持田直哉さんは、家業である牧場を引き継いで2年目の若手経営者で、持田牧場の3代目です。

 持田牧場さんは、直哉さんの祖父が東京都青梅市で酪農業をスタートさせましたが、東京の都市開発に伴い新天地を求め、家族と当時飼育していた牛と共に新得町に移住してきました。新得町での酪農をスタートして40年が経った現在は、経産牛150頭と育成牛70~80頭を所有しており、平成28年には搾乳ロボット牛舎を建設し、今は新たにアブレスト搾乳牛舎と哺育舎を建設中で、思い描く理想の経営を目指して着実に経営基盤を固めています。

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真剣な眼差しで将来の展望を語る持田さん

 

 持田さんは、「品質の良い粗飼料を牛に食べさせたい」とおっしゃいます。ベースとなる粗飼料の品質が悪いと、食べてくれなかったり選び食いをしてしまったりすることで、牛の体調を崩す大きな原因となっていることを問題視しています。飼料の品質の変動は、牛にとって大きなストレスとなっているため、品質の良い粗飼料を安定して生産することが必要だと考えています。中でも、良い粗飼料を生産するためには、良い土つくりが重要だと考えています。畑に良質な有機物を還元する為に、嫌気性菌を用いて堆肥を発酵させ、生の状態ではない堆肥を長年にわたり畑に散布してきたところ、段々と畑が変わってきたと言います。

 その地道な努力が実を結んだのが、平成28年の台風被害の年でした。持田さんの畑は風の通り道になっており倒伏被害が懸念されていましたが、心配をよそに倒伏の被害を受けることなく収穫を迎えることができ、良い土つくりの成果が作物に現れた瞬間でした。

そんな持田さんが「唐津酵素 バイタルシリーズ」をご使用していただいたのは、平成30年にある飼料メーカーの方が弊社製品を持田さんに紹介していただいたのがキッカケでした。デントコーンの除草剤茎葉処理にBバイタルを混用し、薬剤の量を規定使用量の下限に設定して散布しました。除草剤の量を下限に設定していますが除草効果に問題はありませんでした。さらにその年、輪作の関係上やむなく1番牧草収穫後の畑にデントコーンを播種しました。播種日が6月20日と通常のデントコーン栽培では考えられない遅播きであったため「少しでも物になれば」という気持ちでの作付けでした。その際も除草剤は下限に設定し、Bバイタルを混用して茎葉処理を行いました。すると、天候の手助けがあったものの、雑草はきれいに処理され、デントコーンも通常の播種時期のものと見劣りしないほど生育し、繊維質を確保するには十分の出来となりました。

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6月20日播種のデントコーンの子実

 

また、平成31年産には2つの新播草地圃場の一方に、Bバイタルと発酵アミノ酸液であるAPバイタルを1,000倍で散布し、もう一方は無処理の圃場をつくり比較してみたところ、草丈に大きな差ができました。圃場の場所は違いますが、播種日は一緒であったため、違いが出たことに持田さんも驚きを隠せませんでした。

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①新播草地比較(バイタルなし、草丈は腰下)     ②新播草地比較(バイタルあり、草丈は腰上)

 

 持田さんは高校卒業後、新得町内で酪農ヘルパーとして10年以上勤務していました、長年のヘルパー経験は町内の様々な牧場経営を実際に見て体験することに繋がり、その経験が自身の経営にプラスになっていると言います。現在は作業の見直しを図り効率を上げることに成功され、牛舎での作業時間は1日7時間を越えない体制を整えることができました。従業員を1名雇用している持田牧場さんは、社員がより働きやすい環境を目指して作業環境整備に力を入れています。

 最後に持田さんに将来の展望を伺うと「個人経営で2,000トン出荷」という目標を掲げていらっしゃいます。人と牛双方の幸せを実現しようと、努力と変化をいとわない持田さんの目標達成は、そう遠くないのではないかと感じました。

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新設中の牛舎をバックに明るい表情の持田さん

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