農産物の輸出”ベーハイドゥ”ブランド
農業経営部会では、4年前に蝶理フーズプロモート(株)、現在の社名はイズックス(株)のコーディネートで中国山東省青島へ日本向け冷凍食品の加工施設や野菜の生産現場を視察してきました。
その後も、定期的に情報交換などを続けてきましたが、このたび本格的に中国の主要都市へ向けて十勝の農産物や加工品の輸出を具体的に探るべく商談会(説明会)を開催しました。
今回は、イズックス(株)より安齋社長、山下貿易本部長、青島に食品問屋を持つウノシッピング(株)より近藤営業部長が出席され、現在の中国での北海道産の農産加工品の現状などを報告いただきました。
食料自給率40%の国が農産物を輸出すると言う事に違和感が無かったわけではありませんが、富裕層の拡大とそれに伴う食品に対する安全志向の追求、おいしいものへのこだわり、日本の食品、とりわけ北海道産の農産物や農産加工品に対する需要は一過性のものではないとのことでさすがにマスコミなどの報道と違い、生のお話には圧倒されました。
なぜ、北海道の農産品に注目が集まったのかと言えば、中国のトップクラスの女優が出演したドラマがひとつのきっかけになったらしく、また、中国の富裕層クラスはニセモノと本物を見極める確かな目を持っており、とりわけ日本人が作ったものに関しては価格が高くても安心感を持っているとのことでした。
現在日本はBSEの汚染国で、牛肉を輸出する事は中国に対しても輸出する事は出来ないのですが、近いうちにそれも解除になり、日本の和牛などは相当の人気の食品になりそうだとのことでした。
我々が4年前に中国へ視察に行ったときには、低価格の中国産の輸入食品が脅威だったわけですが、たった4年の間に、莫大な勢いで富裕層が増え、以前は考えることも出来なかった農産物の輸出という事態になろうとは全くもって考えられなかった事です。
それに対して農水省も農林水産物・食品の輸出に対する取り組みを支援する事業も出てきていますが、現在の日本の農業の置かれている状況を考えるとなんとも複雑な心境です。
ちなみに”ベーハイドゥ”は中国語で北海道の意味だそうで、今では上海などでは”トウキョウ”より有名らしいです。