8月28日 2009北海道放牧酪農ネットワーク交流会 in 足寄

昨日は、足寄町で開催された2009北海道放牧酪農ネットワーク交流会in足寄に参加してきました。今年で7回目を迎えたこの交流会も昨今の飼料価格の高騰などを背景に年々参加者が増えています。今年から季節限定(6/1~9/30)で道外飲用向けとして明治乳業から発売された「放牧牛乳~足寄から」の話題も一因でしょうか。
 今年はNHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」出演で一躍脚光を浴びた青森県のリンゴ農家木村秋則さんの記念講演があるということで酪農以外に畑作や描き栽培や、またいつものように新規就農を目指す若い人たちの参加者が目立ちました。

 午前中の記念講演では「草資源活用の酪農について」のテーマで、中標津町の三友盛行さんが講演をされました。
 三友さんの講演はこの交流会でも幾度となく聞いていますが、放牧酪農の技術的なことはもとより今回は「心の持ちよう、酪農民としての生き方」いわゆる酪農哲学を熱く語られました。
 ちなみに三友さんも9月29日に放映されるNHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」への出演が決まっているそうです。

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木村さんの講演では不可能とされたリンゴの無農薬・無化学肥料栽培に取り組むきっかけに始まり貧乏のどん底を味わいながら情熱を掛けたリンゴ栽培の話に大きな感動を得ました。
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酪農学園大学の荒木和秋先生をコーディネーターに足寄町放牧酪農研究会佐藤会長を交え「農の原点から、放牧酪農を見る」のテーマでパネルディスカッションと会場からの質疑を加えフロアーディスカッションが行われました。二人のNHK「プロフェッショナル」出演者の豪華な?ツーショットです。

 今回の記念講演やディスカッションでは、リンゴ栽培でも酪農でも共通の「土作り」が主要なテーマとなりました。
 良い土が良いリンゴを実らせ、良い草を育て良い牛を作る、当たり前の話であるが目先の経済優先だけが重視の現在の農業生産に大きな疑問を改めて抱かせる今回の交流会でした。
 大手乳業メーカーの差別化された牛乳の販売や木村さんの取り組みを九州や東北の農協単位での取り組みが始まるなど時代が少しづつ動きはじめていると感じました。

 木村さんは決して農薬や化学肥料を悪だとは言っていませんでした。ただ生産現場はその便利さに少し使いすぎではと苦言を呈しています。実は無農薬栽培に取り組んだきっかけは農薬使用後に必ず奥さんの体調が崩れる事だったといいます。
 以前、ブログにも書いた事がありますが残留農薬の被害を受けるのは消費者よりもその農薬を扱う生産者だそうです。
 現在、木村さんは農水省や大学などとこの栽培法についての話し合いを行っているそうですが、消費者意識、流通制度、行政支援など変わらなければいけないことはたくさんありますが日本人は物事の急激な変化を受け入れない、故に「階段を一歩づつ上がるように変えていけばいいんだよ」といった言葉が印象に残りました。

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