放牧酪農

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北海道の酪農といえば緑の草地で草を食む光景を連想する消費者は多いと思いますが、残念ながら一時的に穀物を原料とする配合飼料などが安値で安定的に供給されてきた過程においては牛を放牧に出す光景はほとんど見られなくなりました。
 しかし昨今の、飼料価格の高騰のせいか、牛を放牧している光景をあちらこちらで見かけるようになりました。

 昔から牛は人間が食べない”草”を食べる事によって牛乳や肉を生産するすばらしい生き物だったわけですが、圧倒的に飼料穀物を生産している米国の穀物戦略とともに日本の畜産が発展してきました。
 それが最近の米国のエネルギー政策の転換により一転して飼料穀物の供給に不安の影を落とし始めました。まあ、いつの時代も米国には振り回されるものです。
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足寄町の役場に、このような幕が掲げられています。

放牧酪農といっても一年中、青草があるわけではありませんが、少なくとも価格の高騰している飼料に対する依存率は下げる事が出来ます。
 日本のカロリーベースでの食糧自給率は40%程度といわれていますが家畜用の飼料穀物の輸入が自給率を下げる要因にもなっています。
 食料自給率を上げる事は大賛成ですが、農業界が穀物多給型の畜産を実践していて食料自給率を上げろでは、どうも説得力に欠けませんか。
 でも最近では、そんな流暢なことを言ってられる状況ではなさそうです。

今年は春からの好天に恵まれて、放牧草の栄養価も高そうです。春に牛を放牧草地に放したら一斉に発情が来始めたと言っていた酪農家もいました。この際の自衛策として放牧酪農を見直してみませんか。

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