今朝の、北海道新聞より
牛乳の乳脂肪分を3.0~2.5%に調整した「成分調整牛乳」を道内乳業メーカーが相次ぎ発売し、量販店などに販路を広げているとのことです。
仕事柄、現場で牛乳を飲ませてもらう事がたまにあります。本当にそれは甘みがあって、サラッとしていて飲みやすいものです。
牛乳は製品の性格上、一元的に集荷され、乳業メーカーで殺菌処理されていますが、以前から疑問に思っていることが画一的な乳価の取引単価です。用途によっては脂肪分が高くて良い場合もあるでしょうし、チーズ向けなら乳蛋白質重視、ローファット牛乳なら低脂肪乳といったところでしょうか。多様なニーズに対応した原料乳の生産は現在の技術を用いれば、かなりのところまで可能なのではと思いますが。
多くの酪農家から集荷されてくる生乳に品質差(体細胞数、脂肪分、無脂固形分、乳蛋白質、細菌数など)があります。わざわざ生産された生乳から脂肪分を取り除くくらいなら、初めから乳脂肪分が上がらない牛乳の搾り方も出来るのではないかと思います。(乳牛の改良もそのような方向で進めてた原因もあると思いますが。)
真剣に牛乳の消費拡大を考えるならそれくらい、酪農業界全体で取り組む必要があるのではないでしょうか。また今日の乳牛検定制度も、いつの間に経済検定から記録検定に移り変わって来てしまいました。机上の計算では一頭あたりの乳量を上げる事が生産コストを下げる事も理解できないわけではありませんが、どうやらそれもこれからの飼料用の穀物の状況を考えた場合にいつまでも続きそうもありません。
乳牛の改良や、副産物や自給飼料の有効な活用など、日本の酪農の今後の方向性を考えていかなければいけないことがたくさんあるようです。