2月14日 輸入小麦価格の高騰と生産者努力

 輸入小麦価格が高騰しているようです。現代日本人の食生活にとって、パンをはじめ小麦粉を原料とする食品は切っても切り離せない関係にあるのではないでしょうか。
 更には今年の4月からは輸入小麦の全量を管理する国の製粉会社への売り渡し価格が30%の大幅値上げとのことです。原料価格で30%ですから、当然食品メーカーは小売価格への転嫁を図ることでしょう。今春から多くの食料品の値上げが予想されます。
 そのような状況下、内外価格差の縮小から、国産麦への引き合いが強まっているようです。
単純に価格差の縮小だけでなく、最近の品種改良に伴う、品質の向上も一つの要因であると考えます。
 農作物にとって品種改良というのはとても重要なことであって、どんなに農家の人が一生懸命頑張って良い生産のしかたをしても、その作物の持っている特性を超えることは出来ないのです。しかも品種改良という作業は誰でもできることではありません。限られた公的な試験研究期間などでしか出来ないのです。(一部民間で行っている例もありますが。)

 最近、とても評判の良くなった北海道産米なども品種改良の方向性が、以前は生産者にとってメリットのある収量性や作りやすさといったことに主眼が置かれていて、食べておいしいといった、ごくごく当たり前のことがおざなりになっていたそうです。
  幸か不幸か、外国産の原料価格の高騰によって国産が見直されることは結構なことだとは思いますが、是非、国内の生産物の品質向上に対する生産者側の努力も惜しまないで欲しいものです。
 
 農業、畜産、競走馬も含めて生産現場に関わっていると、品種や育種の改良の絶対性と、育てる環境や生産者の熱意と努力が合致して初めて、素晴らしい生産物が出来る、やはり生き物(命を持つ、植物、動物)を育てる産業の偉大さを感じずにはいられません。

ページトップへ戻る