7月22日 アメリカ農業視察報告
今日も朝から雨が降っています。雨の多い7月です。
農経部会7月例会が開かれました。
今月の7月4日から12日の間、農経部会有志によって行われたアメリカ農業視察報告です。
今回の視察テーマは、リーマンショック以降のアメリカ農業ということで、シカゴ近辺を中心に非遺伝子組み換えを中心としたトウモロコシの生産・流通状況、バイオエタノール産業の現状、北海道と同等規模の酪農家視察でした。
参加メンバーは以下の通りです。
㈱大野ファーム大野社長、㈱アグリインデックス竹内社長、小林牧場小林代表、中村農場中村代表、㈱尾藤農産尾藤代表、タイセイ飼料㈱境田代表、 通訳、案内役は豊田通商㈱
遺伝子組み換え農作物に関しては、様々な遺伝子組み換えを行った種子が急速に普及しておりトウモロコシは80%、大豆に関しては90%以上に達すると言われており、実際に豊田通商㈱が取り扱う非遺伝子組み換えトウモロコシは全体取り扱いの5%にも満たないそうである。
バイオエタノール工場は、かなりの工場が閉鎖に追い込まれる一方、新たに操業を始める工場もあり、閉鎖原因は急激な原料相場の価格高騰に資金繰りが行き詰まりなどが原因のようで堅実経営を行っているところと、投機的な経営を行ったところの違いも一つの要因のようである。ちなみに全米では現在3億tのトウモロコシのうち、1億tがバイオエタノール向けに原料が回っているとのこと。
個人牧場は、昨年と比較して乳価が1ポンド20ドルから10ポンドと半値になり、酪農経営だけでは経営が成り立たず、アルバイトや副業などで経営を支えているといった、大よそ日本のような安定した保証価格ではではなく、大変な状況のようであった。
全体的な視察報告を聞いた中で、アメリカにおける農業や企業経営の厳しさは日本の比ではないように感じられたが、何処の農場においても環境整備や機械、工具に至るまで整理整頓が行き届き、厳しい経営の中でもアメリカ農業の経営の豊かさが感じられる報告内容でありました。