12月15日 みんなが同じ結果ではない

12月も、もう半分を過ぎました。やらなければいけないことはたくさんあるのですが、残りの稼動できる日数を逆算しながら予定をつぶしていくしかありません。もっとも商売をやってる身においては忙しいというより充実していると解釈するべきなのかも知れません。

この時期に来て、酪農家さんでは今年収穫したデントコーンのサイレージが各地で開封されてきているようです。今年の原料は生育中に「根腐病」が各地で発生し倒伏や枯れ上がりなどで、決してサイレージ原料としては良いものではないといった不安の声が聞かれていました。

そんな中、先日、取引先の更別村河原牧場さんのデントコーンサイレージを見せてもらいました。

原料は、9月の末近くに切ったそうで、若干根腐的な症状が一部で見受けられたので急遽切り込み作業を予定より早めて行いました。
結果的には、水分も60%近くまで落ち、一般的には二次発酵してしまうのではといわれる水分ですが、見事なサイレージが出来上がりました。

子実収量も非常に高く、香り、発酵品質ともに素晴らしい仕上がりで嗜好性も非常に良いそうです。

河原さんのところは、牧草、デントコーンともに常に品質の高い粗飼料を作っているということで、種子を供給している会社の研究所から研究員が必ず出来上がりを見に来られるそうで、今年の出来上がりに関しても最高との評価をされたそうです。

ちなみにサイレージ分析書を見せていただきましたが、数値からもその品質の高さがよくわかりました。

私は以前から感じていることがあるのですが、農業の技術の世界はとても奥が深くて、試験研究機関で一般的に言われている技術もあれば、なぜそんなことが起こるのかといった技術も含め現在の理屈だけでは解明できないようなわからないことが数多くあります。

今年のデントコーンの根腐病をはじめ、作物には様々な病気が発生します。馬鈴薯の「そうか病」などのように直接的に大きな経済損失をもたらす典型的な病気もあります。しかしみんな今年の天候の影響ですべてがそのような病気にかかったわけではありません。

一般的に試験研究機関は「なぜ病気が発生したのか」その原因究明に躍起になりますが、私は、その反対になぜその圃場では、病気がなぜ発生しなかったのかという研究を行わないのかと、かねがね思っています。

農業生産の元となる「土」はとても複雑な世界ですが、みんなが同じ結果ではないのですから、問題の無かったところから学ぶべきところににこそ大きなヒントがあると思うのですが。

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