6月22日 十勝農業に危機意識は芽生えるのか?

ここ最近まともに太陽さんの顔を拝見できない日が続いています。6月としては8年ぶりに本土に台風の上陸があり、台風一過で好天が予想されたのですが、さすがの台風も冷たい空気を持つ高気圧にはかなわなかったようです。


恒例になっている、新総合振興局長をお招きしての農業経営部会の6月例会が先日開催されました。今年は道総研十勝農業試験場の場長も変わったと言うことで木村秀雄新場長にもお越しいただき「十勝畑作農業の課題と技術開発」というテーマで非常に興味深いお話を伺ったので報告させていただきます。

木村場長は十勝大樹町の酪農家に8人兄弟の末っ子として生まれ当然?農家の後継ぎになることは出来ず帯広畜産大学を卒業後、農業改良普及員として北海道内の農業生産現場を回っていました。前任は農政部農産振興課長として、私も昨年参加した「ナタネ会議」で一度お会いしていました。


木村場長はデーターを示しながら、十勝農業の半世紀の歩みを豆類の減少から、小麦の過作が招いた適正輪作体系の崩壊とそれに伴い、現在は先代が築き上げた土作りの遺産の上で営農を行っていると厳しく指摘し、既に小麦やビートなどにおいては網走管内より平均反収が劣る作物も出現していると報告され、また急激な酪農の規模拡大に伴い耕畜の連携がとれず、家畜糞尿問題や圃場における有機物の不足という現在はアンバランスな状態でもあると報告されました。

常日頃、生産現場を回っていて私自身も強く感じていたことであり、木村場長の報告には全く同感でした。

農商工連携や、六次産業化など農業経営の付加価値を高めることはもちろん大事なことですが、その生産の原点である「土作り」は絶対に怠ってはいけないということが改めて感じることが出来た例会でした。

 

ページトップへ戻る