3月14日 農業法人化のメリット・デメリット

3月に入って初めての書き込みになってしまいました。3月は暖かいとの長期予報でしたが、思ったほど気温は上がらず、来週からは低温に関する情報も出ているようです。どうしてこれほどまでに長期予報は当たらないのでしょうか?

これからの農業経営の生き残りの一つとして以前から経営の法人化という選択肢があります。同友会農業経営部会では今年度の例会テーマの一つにも農業法人化の取り組みが取り上げられており、年度末最後に「農業経営における法人化のメリット・デメリット」と題して3月例会を開催しました。


講師はとかち支部会員で野村経営コンサルタント事務所代表の野村幸司氏にお願いしました。
野村氏は地方銀行に入行し債権回収や融資業務に携わり転勤で訪れた帯広で退職し独立、中小企業診断士や日本政策金融公庫農業経営アドバイザーの資格も持っています。

まず法人化することが目的ではなく、法人であれ個人であれ利益を出すという当たり前のことが重要であるということを確認しました。

農業の特性としては
①自然条件や経済状況の変化によるリスクが高い
②生産サイクルが長く収益機会が少ない
③担保が農地などで特殊である
一例として肉牛経営などは導入から出荷まで20ヶ月掛かり通常これを在庫とみなした場合一般企業からは考えられない長期の在庫を抱えることになど市中金融機関から見ると中々理解できない側面がある。

一般的に法人化のメリットとしては

①経営管理能力の向上
②対外信用力の向上
③経営発展
④福利厚生面の充実
⑤経営承継の円滑化
その他、税制上のメリットが上げられるが、法人化すること自体が信用力の向上に繋がるわけではないと話されました。

反面、デメリットとしては
①経営管理面では事務負担や管理コストの増加
②福利厚生面では社会保険料、労働保険料の負担増加
税法上では、申告書作成の負担増加、法人住民税均等割(赤字でも発生)など必ずしも法人化でデメリットが無いわけではないということ。

いずれにせよ、経営が儲かっていなければ法人化のメリットは無いが、個人経営と法人経営では融資枠などにも大きな差があることも事実です。ただ常日頃現場を回っていて感じることは、看板が変わるだけでなく中身も変わらないと法人化は意味がなく何のために法人化するのかを良く考えてから行動するべきと私は考えます。

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