家族経営の後継者問題について考える(その1)

農業経営の多くは家族経営が中心です。日頃、多くの農業者の方と接していて感じることを一度には書ききれないので幾度かに渡って書いてみたいと思います。
 一昔前なら、頭の良い子は町へ出て稼げ、そうでない奴は農家を継げなどといった時代がありました。いまどきそのような考えで農業を継ぐ後継者はいないと思いますが家業の農業を継ぐパターンも様々のようです。
 
 私自身も小さな会社の二代目ですが、改めて経営者としての勉強をする事の重要さを痛感している一人です。
 私の所属している中小企業家同友会帯広支部に「あすなる会」という会があります。「あすなる会」の意味は明日、社長になる会という意味で社長になるための勉強をする集まりで、異業種の多くの仲間達と私もそこで何年か勉強をさせてもらいました。 
 内容は財務、法律、マーケティング、人事管理など多岐に渡ります。
また中小企業家同友会自体でも多くの先輩企業経営者に勉強をさせていただいていますが、果たして現在の農業後継者に経営の勉強をする場があるのでしょうか、農業は習うより慣れろという事も否定はしませんが、財務諸表の見方など誰が教えてくれるのでしょうか。

 父親が築き上げた堅実な経営を立派に引き継いでいる後継者がいますが、世代が変われば物事の価値観が変わるのも事実です。
 一世代前の古い価値観を押し付けたところで後継者もすべては納得できないでしょうし、また、農業に関しては勘と経験がモノをいうこともあるでしょう。家族間での経営委譲においては後継者の幼少時代からの親の教育もとても影響があると思います。

 農業を取り巻く環境はますます難しくなっていく事が予想されます、しかしながら家族経営農業ならではの価値観を家族内で共有し、楽しくやりがいのある経営をされている方に会うとどこか、ほっと気が休まる事があります。

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