2月1日 これからの時代のP(リン)の使い方(その2)

 昨日のブログに引き続き
 資源の枯渇や安定的な確保が懸念されているリン鉱石ですが、当社は、創業時よりリン資源として骨灰や骨炭という天然の骨に含まれるリンを取り扱ってきています。
 
 幸い、骨灰や骨炭は、リン鉱石のような価格高騰の影響は受けておらず、数量に限度はありますが、従来どおりの供給をさせていただいています。
 また、最近ではこちらも天然のリン資源である「コーラルリンサン」の販売もはじめています。
 
 日本の土壌は、その大半が火山性土壌で、その特性からリンが、鉄やアルミニウムなどの金属と非常に結合しやすく、リン酸を大量に施用するという指導が行われてきました。
 その結果として、土壌診断を行った場合、ほとんどの分析結果ではリンは過剰で、減肥をしなければならないと言われますが、実際に現場で農家の方たちと、その話をすると土壌分析の数字でリンは過剰だから減らすとは簡単にいかないといます。
 過去に減肥を実行して、初期成育の低下につながり最終的に減収に結びついてしまったトラウマがあるようで、ここが厄介なところです。

 またリン酸は初期成育時の春の低温などに見舞われると、より肥効が低下しますが、私の経験上でも、そのような時に鉱石由来のリンと天然質由来のリンの差がより顕著に出るようで、永年にわたり、骨灰や骨炭のような天然リン酸を使用されている農家の方たちからもそのような声を多くいただいています。
 
 実際に、府県の試験場などでは天然の骨などに含まれるリンの肥効は高いというデータを出しているところもあるようです。
 
 また、同じリン酸を施用するにしても、有機農業を実践されているところなどでは、リン酸の肥効を高めるために”ボカシ”と言って発酵肥料を作りますが、有機物と同時施用は、よりリン酸を効かせるためには有効で、通常の慣行農法でも利用できる技術と思われます。

 化学肥料のような便利なものが現在のように出回っていなかった頃は堆肥の中にリン酸を混ぜていたという話は、お年寄りなどから良く聞かされました。
 これだけ便利な世の中になったが故に、鉱物資源の奪い合いが始まり、むしろ便利なものが容易に手に入らなくなってしまういうなんとも皮肉な時代です。

 これからの営農を考えていくとき、ぜひとも肥料の自給と、できる限り外部資源の導入を控えた戦略を持って、限りある資源も有効に活用し、コストの削減に結び付けていただきたいと考えます。
  
 これらの技術に興味のある方は、是非、ご一報下さい。

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