11月16日 アグリフードネットワークin帯広

今朝は、やっと?氷点下の冷え込みになりました。

昨夜は、農経部会と㈱日本政策金融公庫の共催で「アグリフードネットワークin帯広」が北海道ホテルで開催されました。
第一部の講演会では、千葉県より(農)和郷園 代表理事、 株式会社 「和郷」代表取締役 木内博一氏を講師に迎え「和を育み 郷土を敬し 園芸を志す」のテーマでお話を頂きました。
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木内社長は、現在、日本で最も注目されている農業経営者の一人で千葉県香取地区の92戸の野菜農家で組織された(農)和郷の代表理事を務め本人も25ヘクタールの野菜生産農家です。

 大学卒業後、家業を引き継いだときの農業売上高はわずか700万円だったそうですが、起業後わずか10年で年間売上高50億円の一大農系起業グループを作り上げました。

「農業は製造業である」が木内社長のモットーで、一定のコストをかけた商品が市場などの販売価格の変動に振り回される現状に疑問を持ち製造業においてオーダーのない製造はあり得なく、生産物はすべて契約販売だそうです。

 92戸の野菜農家の集まりをまとめていくために、科学的な裏づけのある土つくりのための土壌分析や施肥設計、農薬や肥料の使用履歴の管理にいち早く取り組むほか農業版ISOであるGAP(Good Agricultural Practice)の導入により安全基準や衛生基準を統一化し2005年には和郷園が呼びかけ人になり日本GAP協会も設立しました。

 環境問題に対しても自社や取引先から出る野菜残渣を堆肥化し、グループ農場から排出される家畜糞尿でバイオガスプラントの運営や廃食油からBDF燃料も製造し自社の車両へ使用するなど循環型の農業経営を着々と進めています。

 現在は国内のみならずタイや香港などの海外へも事業展開を進めており、最近では野村ホールディングスが出資した農業関連会社の顧問なども務めています。

 確かに東京という大消費地に近いメリットがあるのは事実ですが、的確に需要者側のニーズを捉えマーケットインの考え方を農業経営に導入するなど、やはり日本のトップ農業経営だと感じさせる内容の講演でした。

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