農作物を栽培する上で、必要不可欠なリンは、全量をリン鉱石やリン安などの製品として輸入に依存しています。
リン資源を保有するアメリカは、リン鉱石としての輸出を禁止してから10年近くなります。以降日本はリン鉱石の輸入を中国に大きく依存していましたが、中国国内でも有数のリン鉱石産出地であった四川省が大地震の発生により大きなダメージを受け、結果的に高関税化措置により
輸出規制となり、今日のリン酸肥料価格の高騰へと結びついています。
中国財政部は12月31日まで、この高関税化を継続する予定のようですが、自国内の資源を温存するのか、もしくは外貨獲得のために輸出を再開するのか分からない状況です。
いずれにせよ、関税が緩和されたとして若干の値下げは期待できるかもしれませんが、世界的な食料増産の動きから推測すると高止まりの傾向が続くのではないでしょうか。
日本国内には鉱物資源としてのリン鉱石はありませんが、こうした状況を受け、国内にある未利用リン資源の回収技術などを検討課題とした「リン資源リサイクル推進協議会」が設立されるそうです。