7月30日 産業用大麻(ヘンプ)を見てきました。
小麦の収穫もそろそろ終盤を迎えようとしています。今日も帯広は最高気温が32.8度と暑い日になりました。途中で変わったとは言え、春先に出されたエルニーニョ発生の影響による北日本は冷夏の長期予報は一体何だったんでしょうか。
先日、以前から興味のあった東川町で行なわれている産業用大麻(ヘンプ)の現地視察と勉強会に行ってきました。
誤解の無いようにお断りしておきますが、産業用大麻(ヘンプ)とは以下のような物です。
産業用大麻は(麻)と同じものであり、最も古い農作物の一つです。英語でhemp(ヘンプ)と言い、原産地は中央アジア、アサ科の一年生草本です。茎から取った繊維は大変丈夫で、衣服や紐、ロープなどの原料となり、麻の実は脂質と蛋白質に富んでいて栄養価が高いことから、食用、飼料、油糧用としても利用されてきました。
但し、品種によっては、THC(テトラヒドロカンナビノール)と言う陶酔性の薬理成分を多く含むことから、戦後、大麻取締法によって、花や葉、若い茎の所持が禁止となり、栽培や研究には知事の許可が必要となりました。
かつて全国では数万ヘクタールもあった麻畑も現在は栃木県を中心に僅か5ヘクタール、栽培免許の所持者も全国で50名ほどになっています。一方、海外では断熱材などの建材やプラスチック、健康食品、化粧品など2万5千種類以上の製品を生み出す新たな原料作物として注目されています。有名なところでは高級乗用車メルセデスベンツの内装材にも原料使用されています。
今回、東川町で研究用に栽培されている産業利用大麻は栃木県で育成された「とちぎしろ」と言うTHCを含まない安全無害な品種です。
東川町における産業用大麻(hemp)は町が研究委託者になり、中小企業家同友会道北旭川支部会員の(有)松家農園代表で上川ヘンプ研究会会長を務める松家源一さんと、元上川農業試験場、十勝農業試験場場長で北海道ヘンプネット世話人代表の菊地治巳さんが研究受託者となり試験栽培を行っています。
松家源一さん 菊地治巳さん
無毒品種と言えども当局の厳重な管理下で研究栽培が行われています。24時間監視のカメラも設置義務があるようです。
まだまだ研究栽培が始まったばかりの産業用大麻(hemp)ですが、新たな連作作物としての位置付けや幅広い産業用原料の可能性を含んでいることも間違いありません。近日中にはヘンプ普及と社会的な信用を増すため一般社団法人化の予定もあるそうです。
先駆者としての松家さんと菊地さんの活動にますます期待したいと思います。