7月11日 これからの十勝農業のモデル?

ずっと高止まりが続いていた穀物の国際価格がさらにここに来て史上最高値に近づいて来ています。主産地であるアメリカ中西部の熱波の影響によりシカゴ穀物市場では前月比でトウモロコシが約40%、大豆も20%の値上がりだそうです。
11日には農務省から需給報告が発表されるようですがどのような内容になるのでしょうか?

そんな状況の中、先週末は足寄・本別地区会による「第5回同友会とかち支部地区会交流会」が開催されました。恒例になった地区会交流会では地元の産業を知ってもらおうということで現地視察を行っていますが、その中の大規模畑作農場と肉牛牧場の2軒の報告をしたいと思います。

いずれの2軒も当社の取引先ですが、まずは本別町の(有)石山農場さんは、畑作農業の先進地であるヨーロッパを幾度も訪れ大規模機械の効率的利用により基本的には本人と農業大学校生の息子さんと二人で200haの畑を耕作しています。十勝の平均的な畑作農家は30haほどですからほぼその5~6倍の面積になります。

格納庫の中で石山さんから説明を受けています。大型コンバインも修理しながら大事に使用しています。

直接、ヨーロッパから買ってきた自走式のポテトハーベスターなど

石山さんのところでは、SRUの会員でもあり肥料や農薬などの投入量も極力押さえ環境に配慮した農業を目指しています。

 

足寄町の(有)北十勝ファームさんでは、現在500頭ほどの日本短角牛を繁殖から肥育仕上げまでの一貫生産経営です。

繁殖は雄牛を放し、自然交配を行っています。

ファームマネージャーの上田さんは、以前、ホルスタインやF1、ヘレフォードなど黒毛和牛以外の牛は全て扱ったことがあるそうですが、いろいろな状況があり、現在の短角牛になりました。短角牛は粗飼料での増体効果に優れており、上田さんのところでも輸入飼料への依存度が極端に低く、地元で出るフスマや米ぬか、などを用いています。自給のデントコーンも肥育仕上げまで使用していますが脂の色などについても特別問題は無いそうです。また牛舎環境面では炭を埋設したり常温で最大の遠赤外線を発するブラックシリカなどを使っているせいで独特の牛舎臭もほとんど感じません。
私自身も幾度かこの短角牛を食べたことがありますが、輸入飼料に頼らなくヘルシーで牛肉本来の味がするとても美味しい肉です。

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