《事例32》令和元年12月 十勝一の花豆栽培生産者になりました

2019年12月 5日
伊場ファーム

 伊場ファームを経営する伊場満広さんは、本別町市街すぐ東側の高台にあたる浦幌町恩根内で営農をされている畑作農家です。100年以上前に石川県より入植した4代目で、満広さんは家業を受け継いで15年目です。伊場ファームさんは自身でホームページを開設されており、営農に対する思いやネット販売などをホームページに上げられ、営農だけではなく販路開拓にも意欲的に取り組まれています。

 経営面積は35haで、小麦10ha、ビート8ha、豆類11ha、たまねぎ2ha、有機JAS栽培2.ha(スイートコーン・大豆・ライ麦)の栽培をされています。浦幌町恩根内は元々1戸当りの経営面積が少ない地域でした。満広さんも経営を受け継いだ当初は全面積で8haしか無く、農業収入だけでは生活出来る状態ではなかった為、昼は近くの製糖会社で働き、会社勤務以外の時間で畑作業を行う兼業農家だったそうです。しかし、苦労に苦労を重ねた結果徐々に経営面積を増し、現在は専業農家として営農できるほどに農場を成長させました。

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明るい表情で自身のチャレンジを語る伊場満広さん1575504153143.jpg 伊場ファームさんの作付けで特筆すべきは、豆類11haの中で実に5haが高級菜豆の「白花豆」だという事です。浦幌町では10年程前から農協の先導で白花豆を町の特産物とするべく、「白花豆の部会」を立ち上げました。創設当初から参加している満広さんは0.5haから栽培を始め、現在では5haという大規模な面積の栽培に取り組んでいます。白花豆の栽培は手作業がほとんどで機械化も難しく、5haの面積を栽培するのには、実に数百万円もの人件費が掛かるそうです。苦労が多く掛かることから栽培し続ける事が非常に大変な作物です。日本一の産地である北見地方にあっても、近年栽培面積が激減している状況です。しかし満広さんに「何故、人の作りたがらない作物にあえて挑戦したのか?」と尋ねてみると「栽培が大変な作物を人が驚くほどの面積で栽培する事でモチベーションが上がる。」と話されました。その常人では考えつかない様な答えに驚かされました。

また、数年前より資材の高騰などに危惧を抱き、経営の多角化を目指して有機JAS栽培にも取り組み始めました、有機JASは様々な制約もあることから、苦労することも多くあるのですが、満広さんは「その分やりがいのある分野だと確信している」とおっしゃり、苦労を苦労と思わない正にチャレンジ精神の固まりの様な方です。収穫された小麦、大豆、スイートコーンや白花豆は自社ホームページでの販売や、「ふるさと納税」「楽天市場」を通じてお客様へダイレクトにお届けできる仕組み作りに努力をされています。

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伊場ファームさん自慢の白花豆、栽培面積は十勝一

 

 2年前には、浦幌町内を高速道路が開通したことから、地元農業者等と共に「みちと農業を考える浦幌ワークショップ」に参加し、道東道上浦幌PAを会場に土日営業の「新鮮野菜直売会」を開催するなど、地元農業に寄り添う活動にも積極的に参加され、伊場ファームさんの今後の展開が楽しみです。

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新鮮野菜直売会で生産された豆を販売しています

 

 唐津酵素は3年前より使用して頂いています。主に豆とたまねぎを中心に、除草剤への混用散布や、作物生育の調整に使用しています。満広さんは、Bバイタルの混用で除草剤の効きが良くなるのを感じて下さっていますが、作物に対しての反応はよく解らない事もあるそうです。ただ、収穫した白花豆の大粒豆の割合が、唐津酵素Bバイタルを使用してから10%から20%程度に上がったそうで、「豆の肥大が進んだのかもしれない」と喜んで下さいました。

 自身のホームページの中で「農的環境への取り組み」として「作物のもともとある生命力を引き出すことによる病害虫への防御対策・収穫後に残った葉や殻などを有効利用しての化学肥料削減・堆肥や緑肥の投入による土づくり等々」と記されております。これらの一助に唐津酵素を更に活用して頂ければと思います。

伊場ファーム大臣賞.jpg2020年6月26日(金)日本農業新聞記事

 令和2年6月12日、全国豆類経営改善共励会にて、第48回(令和元年度)全国審査会が開催され、「小豆・いんげん・落花生等の部」で、伊場ファームさんが農林水産大臣賞に選出されました。今回は新型コロナウィルスの影響により、書面審査での決定となり、残念ながら表彰式も中止となりましたが、伊場ファームさんがこれまで苦労を重ねて来られた結果が、このような素晴らしい形になったことを心よりお喜び申し上げます。

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