1月19日 環境省から補助金がもらえるような農業をやろう

しばらくブログ更新をサボってしまいました。
ここ数日間、帯広の朝の最低気温が20℃を切る日が続いています。
(寒いからブログ更新をサボっていたわけではありません。)
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今朝、仕事で足寄方面へ行く途中、熱気球が上がっていました。
外気温が下がれば下がるほど、熱気球は上がりやすくなるのでしょうね。

 現在、私は帯広畜産大学で行われている「十勝アグリバイオ産業創出のための人材育成」というプログラムの研修に聴講生として出席しています。
 特に12月から今月にかけての「環境科学」「バイオマス理論」の講義は大変勉強になっています。
 誰もが無関心でいられない、地球温暖化のメカニズムやバイオマス利用など生活者として知っていなければいけないこと、また我々農業の生産現場に関わる事業を行うものとして、農業が環境に及ぼす影響など真剣に考えなければいけないことばかりです。

 先日、畜産試験場の部長さんとのお話の中で、例えば家畜排泄物は今まで土壌汚染や水質汚染というレベルで、屋根付き堆肥舎やスラリーストアの整備を行ってきたわけですが、今後、そこから発生するメタンや不適正な糞尿利用による、亜酸化窒素の発生など二酸化炭素の数十倍から数百倍も温室効果に影響を及ぼしてしまうガスの存在など、現在でさえ、家畜糞尿の問題が完全にクリアされたわけでもないのにどのようなことになってしまうのでしょうか。
 
 また農水省が現在進めている、「農地土壌の二酸化炭素吸収機能に関する知見の集約」や環境問題が主要テーマとして洞爺湖サミットも開催されますが今後、何らかの動きが出てくるものと思われます。現在の農業生産は果たしてどれほどの環境負荷を与えているのか、その具体的な数字が出てきた時ちょっと怖い感じもします。極端な話になるかも知れませんが、もしかしたら今後、農家間においても温室効果ガスの排出を巡って、カーボントレードなんてことが起きてくるかも?

 国内の食糧自給率が低下している今日、現在の農業生産の形を飼えずに環境付加を与えないローインプット型の農業を進めていった場合、当然生産性の低下を招くでしょうし、あちらを立てればこちらが立たず状態になること間違いないでしょう。しかしながら現在のような国際情勢の中、海外に食糧を依存することなど、とても大きなリスクを背負うことになるでしょうし、どう考えても今までの価値観の延長線上で発展し続けていくことなど、やはり無理なことなのかも知れません。どこかで思い切った価値観の転換を図らなければいけないことが、今、正しく試されている時のような気がします。
 
  今までの農業は生産を向上させることに主眼を置いてきましたが、今後は安全で安心のできる食料生産と、環境に配慮をした持続可能な農業が求められていくことになるでしょう、またそのような農業に対して我々一消費者(納税者)も理解をし、応分の負担をしていかなければいけないでしょう。生産性の向上のために莫大な農業補助金が過去に使われてきましたが、これからは本当の環境保全型農業を行い、そのために環境省からも所得の保障を受けられるような農業を行う時代が来るかもしれません。

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