2月24日 有機農業にモデルタウン
福田首相が進める、「食の安心」確保策の一環で政府が全国40ヶ所で有機農業のモデルタウンを選定する方針を固めたそうで、最近の食の安全を脅かす事件の発生などで、食の安全・安心に対する関心が高まっているためだそうです。それはそれで結構なことですが、現在のJAS有機の基準を見直すことは出来ないのでしょうか。とても有機農業を進めていく内容とは思えないことが多すぎます。例えば過去3年間、化学肥料、農薬を使用しないで認証が与えられ、30年前の農薬をカボチャが吸い上げてしまった例などはどのように説明するのでしょうか。認証団体によっても使用できる資材に相違があるのもおかしな話です。
農薬や化学肥料を湯水のごとく使用する農業は私も決して、好ましいとは思いませんし、有機農業に(JAS有機に)エネルギーを注いでいる人たちを否定するつもりもありません。
ただ現在の一般の消費者の方たちの農業や食料に対する認識や理解度がどれほどであるかも分からぬうちに有機農業という言葉だけが一人走りすることが私は怖いのです。
国は十分な情報が流れていると考えているかもしれませんが、有機が安全でおいしくて、その他のものは危険でおいしくないと、安易に考えている軽薄な消費者は結構たくさんいるものです。私の取引先にも最低限の化学肥料と農薬でおいしい農産物を生産している人たちはたくさん存在します。流通の改革も必要だと感じます。
今回の中国の冷凍ギョウザ事件に関しても、全ての中国から入ってくる商品を取り扱わないなどと宣言をした生協がありましたが、無責任も甚だしいと思います。
現状の日本の食料事情を分かっているのでしょうか?
安全な食料を手に入れるためにはある程度のコストがかかります。それを社会がどのように負担していくか、また生産現場においてもそのような高い意識を持った生産者をどのように育てていくのか、多くの人達がそのようなことに関心を持ち、行動に示してもらうためにはまだまだ時間がかかるような気がします。私は自分のビジネスを通じて、できることをやっていきたいと思います。