昨日の、北海道新聞の記事から
道産チーズ最新事情(上)の特集記事が掲載されてました。
チーズ需要の急増による国際価格の急騰により、大手乳業メーカーがこぞって工場を新設し、それによって「生乳生産過剰解消の切り札」になる、といっていますが、
果たして手放しで喜べることなのでしょうか。
北海道の生乳は原料乳という形で取引され、現在の手取り単価は個人差は別としてkg当たり70円前後です。またチーズ向けの原料乳価格は更に低く、40円程度です。
酪農家が受け取る乳代というのはプール計算され、チーズ向けの原料が増えれば増えるほど手取り単価は下がる事になります。
現在の飼料価格や原油価格の高騰という背景を考慮した場合、そのような単価で経営は成り立つのでしょうか。薄利多売方式で、更なる規模拡大を推し進めていくのでしょうか。乳牛一頭あたりから排出される糞尿は、一日当たり搾られる牛乳の倍ほどになります。一戸あたりの牛乳生産量が増加するとその分、糞尿も大量に発生するのです。更にその処理にコストもかかります。
農業生産においては規模の拡大イコール、コストの減少にはつながりません。工業生産とは違うのです。再生産が可能な適正な価格での取引を願いたいものです。
先日、マスコミのかっこうの餌食になっている食肉会社の社長が開き直って発言していました。「安いものばかり求める消費者が悪い」と、アンタにそれを言う権利はないとも思いますが
我々も含め、皆で考えなければいけないことが多い昨今ですね。