本当にいいサイレージが出来ているのでしょうか?
購入飼料価格の高騰を受け、より自給飼料の大切さを訴え続けているわけですが、ちょっと牧草サイレージについて考えてみたいと思います。
酪農の大規模化に連れてフリーストール方式(イコールTMRの導入、イコール細断サイレージ、さらには作業委託、コントラクターの利用)という流れが一般的になってきています。
私の取引先に常に素晴らしいグラスサイレージを作る酪農家さんがいます。(私は勝手にサイレージ作りの師匠と呼んでいます。) そこは3軒の共同作業で切り込み、バンカーサイロに詰めていますが、常に低水分で(一般的には二次発酵してしまうのでは、と思われるくらい。)その香りといったら人間の私でも、思わず食べてしまいたくなるくらいのモノです。
そのサイレージの牛の採食行動と言ったら、気持ちのいいくらい食べまくっています。
私にとっては、それが普通の牧草サイレージだと思っていますから、最近の高水分で、臭く、その臭いをつけて家に帰ろうものならたちまち家族にヒンシュクを買ってしまうサイレージが大変気になります。
特に、コントラクター利用では、作業効率を上げる事の大事さも分かりますが、本当に大事な牛の餌を作っているのか、いささか疑問を感じることがあります。
一般業者のコントラクターなら、いざ知らず(業者コントラクターの方ゴメンナサイ)、地域で立ち上げたコンントラクターでは、何のためにコントラクターを作ったのかと思われるようなところも見かけます。
良いサイレージ作りのためのファクターはいろいろあると思いますが、今一度、しっかりと考えて見ないと結果的に、仕事が楽になった分、コントラクター利用の支出が増え、牛のコンディションも落としてしまっては、まさに「ドロボーに追い銭」の世界です。
いつも言っているように、決して規模の拡大を否定しているわけではありませんが、どうも現在の状況を見ていると、「ざるで水をすくっているような形」に見えてしまうのです。
今一度、牧草サイレージ作りを、しっかり考えてみる必要があるのではないでしょうか。