平成19年度国産牛肉市場開拓緊急対策事業に係る、乳用種肉用牛の飼養衛生管理技術講習会が(社)中央畜産会の主催でJA士幌町農業会館にて開催されました。
この講習会の開催の趣旨は、乳用種肉用牛(ホルスタイン雄)の飼養衛生管理技術の向上により、肉質の底上げと生産コストの低減を図るため、飼養衛生管理技術の基礎講習、農場でのフィールド研修等を行い、生産現場の状況を踏まえた助言指導技術を習得することを目的とするものです。
私は1日目の基礎講習を受けてきましたが、基礎講習は5名の生産技術検討部会委員から、それぞれ育成期の「腹づくり」の重要性、哺育期の管理方法、環境上の疾病対策、全国の生産現場での優良事例などについての報告がありました。
ホルスタイン雄の哺育・育成という面から、やはり酪農生産現場での初乳を飲ませる事や、育成8ヶ月までの「腹づくり」のための粗飼料の役割がその後の疾病の発生におよぼす影響なども改めて良く理解できました。
また、徳島県窪川生産農場では、EM菌を使った発酵ボカシを肥育全期間に使用し、独自格付けではあるものの、肉質3等級以上率85%、11戸の農家による共同生産・販売方式を確立し、「窪川牛」として地元スーパーとの契約生産でで成功している優良事例に興味を持ちました。
現在、消費者のためのトレーサビリティと同様に、仔牛を生産する酪農家や、哺育、育成、肥育を受け持つ畜産農家の生産の履歴や、情報の開示がなされないと、それぞれの段階においてロスが生じ、結果的にコストアップにつながりかねず、生産から出荷までの一貫的なシステムが、より必要だと感じました。