先日の十勝毎日新聞の紙面より、過剰在庫が続いていたバターの供給がクリスマス前の最需要期を迎え、逼迫しているそうです。
生乳生産の過剰になると酪農家への負担分?として、たくさんのバターが配布されている光景を現場で良く目にしたものでした。
昔から言われているように、牛乳の生産というものは、工業製品のように需要に応じて工場での生産を一時的に停止したり、休日返上でフル稼働したりする事は出来ません。
また一度、生産を調整するために牛を売ってしまったりして処分をすると、また次の生産再開までに、それなりの準備期間を要します。
「牛乳の生産というものは、水道の蛇口を閉じたり、開けたりするようなわけにはいかないのです。」
何年か前までは、バターや、アイスクリームなどの原料に使用される脱脂粉乳などは国際価格が安かったために、国内での生産が需要に追いつかないと緊急輸入と称して海外から価格の安いものを入れることが出来ました。
しかし現在はどうでしょうか、ご存知のように、中国を初めとする乳製品の消費量の増加や、EUの輸出補助金の廃止などで国際価格は上がる一方で、海外からも買えない状況になってきているのです。
真剣に国内での牛乳生産を考えるならば、今回の乳価の値上げの提案に対しても、我々は理解を示さなければいけないのではないでしょうか。
また、生産現場に対しては、乳価が上がったとしても、輸入穀物依存率の高い生産体制を見直し、自給飼料や副産物利用を中心とした循環型の生産に転換を図っていただきたいものです。