1月25日 乳価の値上げに関して思うこと
2008年度のホクレンと乳業メーカー間の乳価交渉が8%の引き上げで妥結に至ったとの情報が新聞、テレビなどの報道で取り上げられています。
飼料穀物価格や原油価格の高騰などの要因により、明らかに生産費は急激に上昇していることは明らかな事実です。また飲用向けの生乳の消費低下により酪農家の手取り価格(プール乳価)が下がり、より利益が圧縮されてきていることも良く理解できます。
このたびの8%(実質7%)の引き上げが、妥当か否かは別にして、私は別の側面からこの問題を考えてみたいと思います。
まず今後の見通しについて、世界的な食料事情や誰しもが予測すらすることが出来なかった、穀物のエネルギー利用など、おそらく価格が上昇することはあっても下がることはないと考えることが懸命でしょう。安い価格で安定的に飼料用の穀物が入手できることなど過去の幻となるかもしれません。いつもこのブログでも書いていますが自給飼料の見直し。まだまだ改善できる余地は十分にあります。
日本の乳牛は高栄養の穀物ありきで、その能力を引き出すという改良が進められてきました。乳牛の改良の方向性を簡単に変えることは難しいこととは思いますが、今後は自給飼料を前提とした、一乳期あたりの乳量追求よりも経済寿命の長い、いわゆる長持ちする牛への改良を進めていくべきだと考えます。
また系統組織相手に乳価の値上げを孤軍奮闘、頑張っている方もいるようですが、単に価格の値上げだけを求めるだけでなく、値段が高くても消費者に買ってもらえる商品つくりだとか、プレミアムが付くほどの商品つくりなどの生産現場からの要望をもっとするべきだと思います。 モノがあふれている今の世の中、安くさえすれば売れる時代ではありません。時代のニーズをしっかりと捉えるべきです。
ただ一つ思うことは選択肢のない大きな牛乳の流通システムが、今の時代にもう合わなくなってきている気がします。