1月30日 中国人研修生
この時期、あちらこちらの畑で、このような光景を見かけます。
これは、掘り残したジャガイモが土の中で越冬し、翌年、別の作物の畑になったときに生えてくる俗に言う「野良イモ」を凍らせて発芽しないようにする作業です。
これも温暖化の影響なのでしょうか、年々、冬が暖かく(十勝の冬は暖かいと雪が多くなる傾向がある)土壌凍結が深く入らなくなってきており、重機などを使って除雪をし、畑を露出させてわざわざ畑を凍らせるわけです。
金融危機に伴う非正規雇用の解雇が社会問題化しています。
一方、酪農などは規模の拡大に伴い慢性的な人手不足に陥っています。そのような状況下で国の研修制度を利用した中国からの酪農研修生が増えています。
実際に取引先の牧場においても数人の中国人研修生を、もう何年も利用しているところもあります。
そのようなところの話を聞いていると、働かない日本の若者より、多少、言葉は通じなくても
一生懸命に働く中国人研修生の方が余程いいといいます。
牧場に働きに来る若者の勤労意識が低いのか、受け入れる牧場経営者側の問題なのかいろいろと理由はあるようです。
いずれにせよ、まだまだ日本の酪農経営は家族だけで行うという意識が強く、他人と言えば実習生程度の認識しかなく、また雇用を受け入れても従業員として働いてもらうという牧場経営者の意識転換がうまく行っているようには見えません。
また意識だけ変えても、具体的な労務管理や人事管理も出来てはいないようです。ある酪農家が法人経営にしたら、事務作業が今までの数倍も増えてしまったと言っていましたが、会社なのですから当然の事です。
今の時代、北海道の牧場だからタダで働かせてください。などという人はいないでしょう。
雇用を導入し企業型の牧場経営を目指すのなら、一般企業経営者と同じ勉強をしなければいけません。
農業という産業は他の製造業と違う側面があるのは十分に理解できますが、そこへ働きに来る人たちにそのようなことは関係ありません。
我々も異業種が集う経営者団体で様々な勉強をしていますが、どの経営者も人に関しては多かれ少なかれ問題を抱えているようです。