12月4日 後継者教育
農業の世界にも、より強い経営感覚が求められている時代です。
先日、某有名女優のご子息が覚せい剤を使用していたということで三度目の逮捕という事件がありました。その後の週刊誌にウソかホントか知りませんが、月々70万円のお小遣いを与えていたとか。起こるべくして起きた事件としかいいようがありません。
一方、農業の現場ではどうでしょうか、先日、うちの取引先の農家のお母さんがびっくりして、私に教えてくれたのですが、息子が若い農家の仲間と飲みに行ったとき、親から20万円ももらってきた者がいたというのです。
細かな事情は分かりませんが、私もあきれてしまいました。
上記の例は極端だとしても、常々、私が現場を歩いていて思うことがあります。
多くの農家は世襲であり、学校(高校、大学)や社会人か会社人(これ、経験すること大事です。)を経験してから家業に戻ってくるわけですが、会社においては年齢や、経験、技能に応じた収入を得てくるわけです。おおよそどこの企業においても20代程度であれば、そんなに収入の差はないと思われますが、ところが農家の場合は後継者に支払う小遣いや給料は全てそこの親の常識に任されているわけです。ここまで書けば私が何を言いたいか分かると思います。
一般家庭においても教育は家庭が基本です。
金銭的にも常識のある教育を受けた子供は常識のある経済感覚を持った、大人(農業経営者)に育つでしょうし、しかしながらそうでない子供は常識ある経営感覚を持った農業経営者になることが出来るでしょうか?
より、いっそうコスト意識や経営感覚を求められる時代の中で農業経営を担う後継者教育としては、果たしてそのようなことでいいのでしょうか(もちろん全ての農家がそうではないと思いますが。)少なくとも新規就農が簡単にできず、農業経営という既得権が与えられている現在の農家においては、よりいっそう農業後継者の経済感覚を養い育てていくことも既存農家の社会的責任の一つではないでしょうか。