8月19日 農地の価格

 私の取引先は畜産・酪農・耕種に関わらず、有機物を積極的に活用している農家の方が多いのですが、来年度からの平均価格で60%の肥料価格の値上げの影響が心配です。
 それでも個々の方と話をしていると、有機農業とは言わないまでも有機物有効利用農業をしてきたから、全く堆肥などを利用していない農家から比べるとそれほど影響は大きくないと言います。
 
 一般的に農地の価格は1反(300坪)いくら、と言う言い方をしますが、農地の価格には作業のしやすさ(形・広さ・傾斜)、石の多さ、表土の厚み、牧草くらいしか出来ない?などの要素で決まりますが、意外と地力に関しては明確な基準がありません。
 
 先日、堆肥を十分に施している取引先の畜産農家の方との話の中でこんな話題になりました。
 近所で有機物をほとんど使用せず、金肥(化学肥料)と農薬のみで経営を行ってきた畑作農家の人が交換分合で畑を貸してくれないかと頼んできたそうで、それを断ると「ウチを殺す気か!」と言われたというのです。
 私もあっけにとらわれましたが、そのような発言が何故出てくるのでしょうか、農家は、代々引き継いできた財産である農地から収入を上げ生活し、尚且つ、次の世代のために生産によって失われたものを農地に還元するという義務を忘れてしまっているのではないでしょうか。
 もちろん全ての農家がそうではありませんが、肥料価格の高騰という経営環境の激変時にこのような農家が生き残っていけないのは仕方の無い事かもしれません。
 
 どうせ離農するにしても、高く買ってもらえる農地を作っておく事が大事だと、ある農家の方が言っていました。
 意外と回り近所は、そのことを知っているのです。

ページトップへ戻る