8月25日 遺伝子組み換え作物の是非
帯広畜産大学で行われている「十勝アグリバイオ産業創出のための人材育成」、先日は「遺伝子組み換え作物の安全性と社会的受容」の講義が行われました。
今後この問題が食料の確保に対してどのようなに影響していくのか、また一消費者としても知っておかなければいけないことだと思うし、農業に関連する仕事を行う一人として正しい情報を持たなければいと思っていました。
遺伝子組み換えという技術が安全なのか危険なのかは私も分かりません。もしかすると我々が摂取している食品に含まれる残留農薬やあらゆる食品添加物の問題からすると、もっと小さいリスクなのかもしれません。
爆発的に増加する世界的な人口を支えるるための食料の確保や、急激な気象変動に対する作物の改良の必要性など待ったなしの問題に対して有効な技術でしょう。
しかしながらこの問題に関しては、一般的には、ただ漠然と遺伝子組み換え食品は怖いといったお化けのようなイメージが先行しているのは事実だと思います。
何か利害関係のある人たちなのかマスコミの影響なのかは分かりませんが?
いずれにしても現実は家畜の飼料に与える大豆やトウモロコシのほとんどは遺伝子組み換えですし、天ぷらや揚げ物を揚げるための油は大半が遺伝子組み換えのナタネなどが用いられています。(最近、十勝産の非遺伝子組み換えナタネを用いた天ぷら油も発売されました。)
遺伝子組み換え食品の表示にしても、重量換算で5%以下の混入に関しては、その表示義務がないなど、法制面でも矛盾があり行政面でも消費者を混乱させている側面もあるようです。
過去に農水省のある幹部が「遺伝子組み換え食品をいつまで拒否できるだろうか」と言っていた事が思い出されました。
またこの講義を一緒に聴講していたパラグアイで農業を行っている日系の研修生はパラグアイで遺伝子組み換え作物を栽培して10年ほどになり、すでに除草剤に対し耐性を持った雑草が出現していると言っていました。
遺伝子組み換え技術といえど夢の技術ではなさそうですが、もしかしたらそれがまた新たな商品開発のためのメーカーの戦略なのでしょうか?