3月28日 震災とTPP問題
菅首相の自宅があり、選挙区でもある東京武蔵野市では東京電力による計画停電が一度も行われていないらしいです。東電によれば複数の電鉄が乗り入れる交通の要というのがその理由らしいですが、元菅首相の秘書を努めた地元選出の市会議員が計画停電中止の要望を東電側に提出し、要望が聞き入れられたとのビラを配布したとか、アホか!としか言いようがありません。
大震災の発生により、すっかり議論の影を潜めてしまったTPP問題ですが、農経部会では先日、この問題をテーマに3月例会が開催されました。
講師には、(社)日本農業法人協会専務理事の紺野和成氏をお招きしました。
始めに、この度の大震災発生に関して農業法人協会として国に提出した要望の報告が行われました。
現状の農林水産業の現状について、カロリーベースで食料自給率を計算しているのは世界中で日本と韓国だけであること、わが国の農業、農村は農地の減少、農業者の高齢化などにより、ここ十数年で危機的な状況が深刻化し、この15年間で農業所得が6兆円から、3兆円に半減した。
TPP問題の有無に関わらず、自民党政権時代から多額の農業予算を投入しながらも根本的な農業問題は解決されていないという事実。
紺野専務理事は日本各地で講演を行っているが、同じ農業生産地域においても生産品目の差によってTPP問題に対するアンケート結果も違うことも報告されました。
結論的には、(社)日本農業法人協会としてTPP問題に関する提案は以下の通りです。
方針
・環太平洋連携協定(TPP)については、100%関税撤廃が原則であり、国内農業対策等が示されない現状においては、反対せざるを得ない
・しかし、国内農業の抜本的な構造改革は、今だからこそ必要である。我々は、安全な食料の安定供給と環境や地域社会を守る諸対策の確 立を求めるため、力強い農業経営を実践し、国家国民に資する政策提言を行う。
ちなみに協会として、この方針をまとめるだけに、のべ9時間の議論がなされたとか。