ここに来て、降雨の日が多いような気がします。猛暑でありながら湿害に見舞われた年でしたので収穫の終わった畑では排水対策としての暗渠工事も各地で積極的に行われているようです。
農産物の生育には欠かせない肥料ですが、先日の日経新聞で肥料原料の世界的な争奪競争の中でどう確保するのかという特集記事が掲載されていました。
一般的に肥料のチッソ、リン酸、カリは三大要素と言われますが、工業的に生産可能なチッソ以外のリン、カリはそのすべてを輸入に依存しています。また100%輸入に頼るリンに関しては原料となるリン鉱石の輸入先は中国が大きなウエイトを占めます。
爆発的な人口増加と経済発展に伴う食料確保を行わなければいけない国内事情から察するに果たして安定的な肥料原料の輸出をわが国に対して行ってくれる補償などどこにも無いのではないでしょうし、様々な問題を抱える昨今の日中関係から考えるとレアアースの輸出規制などが容易に考えられるのではないでしょうか。
仮に輸出を継続がされるとはいえ、以前のアメリカのように原料の輸出は禁止し付加価値を高めた製品(リン安)のような形での輸出形態をとる可能性だって大有りだと思います。
いずれにせよ肥料価格の上昇は避けて通れないことは明らかであるならば、今まではコスト面の問題などがあった国内の肥料資源の利用の可能性を早急に見出すべきと考えます。
先日、飼料工業会の専務理事さんと帯広で懇談した際、世界的には飼料も肥料も原料の確保は、もはや商社などの民間レベルでは太刀打ちできず国家レベルでの交渉ごとだと語り、そこでの国としての危機意識の低さに憤りを感じると話していたのが印象的でした。